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2021.04.01 石川クリニック

院長ご挨拶

ご 挨 拶

皆さん、こんにちは。令和3年4月1日より石川クリニックの院長となりました藤田です。
令和3年3月末までは脳卒中などの救急を診る脳神経外科医として、これまで愛媛大学医学部付属病院、市立宇和島病院、愛媛県立伊予三島病院、村上記念病院、十全総合病院などに勤務してきました。

私がこれまで、脳神経外科医として思ってきたことは「やはり脳卒中は恐い病気だ」ということです。
一度、脳に傷んだ部分ができてしまうと麻痺などの後遺症が残る患者さんもおいでます。
一度脳卒中になった方も二度三度と繰り返さないようにすることが大切なので、自分のこれまでの診療ではその予防にも力を入れてきました。
でも、もっと大切なことは脳卒中にならないようにすることです。脳卒中の発生を防ぐための、体調をよくする治療にも力を入れてきました。

「未病」という言葉がありますが、病院に来る前の健康状態を保つことは重要で、そのための講演なども行ってきました。
患者さんには脳卒中予防の健康法を外来でもお願いしています。患者さんにお願いすることはまず自分の身体でも試してみますが、これで少しアンチエイジング効果も出ているようです。
脳卒中の予防は認知症予防にもなるし、心臓病などの予防にもなります。健康を保ち若さを保つ方法をひとことで言えば、元気な血管を持つことです。「人は血管とともに老いる」というウィリアム・オスラー博士の名言がありますが、健康を保つためにはそれが最も大切なことだと思います。
水道管と同じ様な構造を持つ血管にアカが付かないようにするようにするためには、時には勢いよく血管の中の血を流さないといけません。それは軽い運動です。若い頃から運動を続けることは必要です。
「老化は足から始まる」という言葉もあります。そのための「筋肉貯金」は理にかなったことで、これを「歩行貯金」と言い換えてももいいかもしれません。足の筋肉を維持して歩き続けることができるのは脳のためにもなります。

私が脳外科医になったころは脳が全盛期の時代でした。「21世紀は脳の時代」と言われ、その研究をしたいがために脳外科医になったのです。
脳が全知全能で体を支配していると考えられていました。しかし、今は違います。人間の体はもっと複雑です。食べ物を消化する腸も、おしっこを作る腎臓も、体を動かせるための筋肉も脳に命令をする臓器だということが分かってきたのです。盲腸さえ必要なものだと考えられています。各臓器は助け合いながら身体を作り上げているのです。体のどの部分も大切です。うまく使わないといけません。
また、血管の内側のアカ・ヨゴレが付かないようにするために、原因となるようなものを減らせていくようにもしなければいけません。それは普段からの食べ物に気をつけることだと思います。あたりまえの健康法のお話をしていますが、続けることが重要です。続けることによって必ず必ず効果は出ます。

石川クリニックでは、これまで培ってきた脳神経外科専門医そして頭痛専門医としての経験を活かしながら内科的な診療を行っています。まったく変わってしまった仕事ですが、やり甲斐があります。内科的な仕事をさせていただき、これまでの、脳卒中などの予防をしていかないといけないという考えがさらに強くなりました。
石川クリニックを受診される患者さんはご高齢の方が多く、歳を取ってくると高血圧や糖尿病が急に増えてくるということを改めて認識させられました。

90歳以上100歳以上の方も多く来られます。ここまで皆さんが長生きされている事は素晴らしいことで、敬意を表します。ただ、人生100年時代と言われて久しいのですが、どんな立派な体でも100年使うとほころびが出てきます。
あまりいい喩えではありませんが、どんなにいいクルマでも修理も調整もなく100年走ることは難しいと思います。いろいろなところにボロが出てきます。体でも長く使っていると調整が必要です。それが今のクリニックの仕事だと思っています。

皆さんひとりひとりの「心」は自分の体に乗っかって、一人の人間になっています。自分の体は最後まで同じ物を使わないといけません。乗り換えることはできません。
愛すべき自分の体を最後まで気持ちよく使えるように、もっともっと大切にしないといけないと思います。健康は大切です。ただ、元気な時には健康なんて気にもしません。でも歳を取って少し体にほころびが出てくると皆さん健康の大切さを実感するようになります。ほころびを少しでも元に戻すのが我々医療人の仕事です。さらに、ご高齢になると健康寿命を延ばすことも考えないといけません。歳を取っても、少々の病気をしても、これまでと同様の生活ができる期間が健康寿命です。元気に歩き回ることができる身体と誰とでも楽しく話ができる頭。この二つを持っていれば健康寿命は延ばせます。

それでも人間は誰だって歳を取って老化していきます。これまでは生きるか死ぬかという患者さんをもっとも多く扱う脳神経外科医でしたので、命の大切さと人間として生きる大切さはよくわかっています。最後の時間まで人間らしさを保ちながら人生を全うすることができれば、それが最も幸せなことです。このクリニックで仕事を始め、石川綮一理事長先生も同じお考えで診療をされている事を知りました。自分とも方向が同じである石川綮一先生の診療信念とこれまで築かれた地域医療を引き継いでいこうと思います。四国中央市の皆さんのお役に立てるように頑張ってまいります。

(医)健康会 石川クリニック
院長 藤田 仁志

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